普段使っている雑貨、意外と知らないその発祥や由来について調べていきます。
今回はシャープペンシル。
シャープペンシルが日本国内で一般に普及し始めたのは1962年以降であるとされていますが、それまでの間に一体どのような経緯があったのでしょうか。
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発明時期は不明!?
シャープペンシルというものが発明された時期については実はよくわかっていないのだそうです。
現在から約200年前の1791年に沈没したHMSパンドラの船内から発見されたことから、発明されたのはそれ以前であるとされています。
初の特許取得と商品化
シャープペンシルの元祖は1822年にイギリスのホーキンスとモーダンによって特許が取られた「繰り出し式鉛筆」であると言われています。
しかし特許を取得したのみで実際に商品化はされなかったのだといいます。
その後1838年にアメリカのキーランによって「エバーシャープ」という名で商品化されます。
直訳すると「いつも尖っている」となります。
そのまんまですね。
これまで一本一本作成されていたシャープペンシルをドイツが機械で大量生産するようになると、いよいよ日本にも輸入されることになりました。
日本上陸
日本に輸入されたのは1877年です。
明治の文明開化の波に乗る形となりました。
当時は東京浅草の飾り職人が輸入品を模造して製造していたそうです。
当時は実用品というよりは半ば嗜好品扱いであったといいます。
日本の細工職人によって山水や花鳥などの彫刻が施されたものは日本から輸出され、海外でも好評だったとのことです。
現在の万年筆のような扱いでしょうか。
日本での機械生産が始まる
大正時代になるとこれまでのような職人による手工業生産ではなく、機械による生産が始まります。
その製造業者の一人に日本でのシャープペンシルの第一人者、早川徳治氏がいました。
日本独自のシャープペンシルを開発
これは有名な話ですが、早川徳治氏はのちの家電で有名な「シャープ」の創始者となる人です。
早川氏は当時の壊れやすかったシャープペンシルの構造を最適化し、頑丈な金属製で開発、販売しました。
「スクリュウペン」「プロペラペン」「エバー・レディ・シャープペン」の順に改称し販売しました。
しかし、当時は和服に合わないことや冬に持つには冷たかったりして不評だったそうです。
欧米を中心に売れ始め徐々に日本でも売れていきました。
実用品としての普及
当時のシャープペンシルは芯の出し方が回転繰り出し式であったり、芯の太さが0.9mmで日本語を書くには少し太すぎる等の問題点がありました。
しかし、1962年にぺんてるが現在のスタンダードである0.5mmの芯とノック式シャープペンシルが開発したことにより、爆発的に普及していきました。
私たちが普段から何気なく使っているどんなものにも長い歴史があると考えると、また新たな視点を得ることが出来るかもしれませんね。